9月から前回に引き続き、第二回目のマインドフルネス講座が始まります。
今回、講師を勤めてくださる服部カウンセラーにマインドフルネス講座についてお話を頂きました。
パルカスという有名な思想家の言葉に「人間は考える葦である」というものがあります。
簡単に言うと「人は孤独で弱い存在だけど、思考できるということに偉大さがあるんだよ」という意味だそうです。
確かに考えるという行為は、言葉を持つ人間だけの特権です。楽しみなことを想像してワクワクしたり、先を予測して判断するというのは、考えることができるからこそ可能だといえます。
ただ、考えることから得られる素晴らしい恩恵と同時に、人は考えることの苦しみも覚えてしいました。
「失敗するのではないか」という将来の心配や「もっとうまくやれていれば」という過去の公開などは誰にでも経験があると思います。すぐに忘れたり、気持ちを切り替えられたらいいですが、繰り返しグルグル考えこんでしまったり、不安で何も手につかなくなれば生活に支障をきたすことになります。場合によってはうつや不安症を引き起こすこともあるでしょう。
考えにとらわれるという状態は、こころが「今、ここ」から離れ、こころがさまよってしまっているということです。そういった自分自身を苦しめる考えから距離をとり、「今、ここ」にこころを取り戻すためのトレーニングとして、マインドフルネス(Mindfullness)というものがあります。
グーグルなどの有名企業が研修として取り入れたり、アップル社創業者のスティーブン・ジョブスが実験していたことでも知られ、日本でも NHK で特集されるなど注目されるようになってきました。
マインドフルネスはある種の瞑想法です。元々は仏教などの修行として用いられていたものを宗教的な要素を取り除き、誰もが使えるこころのトレーニング方法として用いることで世界的に広まりました。
誰もが気軽にトレーニングできる方法で。いつでもどこでも行うことができます。その効果も実証されており、様々な研究によって実際に憂うつな気分や不安、ストレスを減らすことがわかっています。
ただ、マインドフルネスはトレーニングの方法なので練習を実践し、続けなければ効果は得られません。興味はあっても実際にどうやって練習すればいいかわからない、自分1人ではやれる自信がないという方もいらっしゃると思います。
当院では9月1日(金)から4週にわたってマインドフルネス講座を行います。初心者向けの講座ですので、まったく経験や知識のない方でも何の準備もなくご参加いただけます。
マインドフルネスに興味のある方はぜひご参加ください。
臨床心理士 服部正嗣