適応障害の治療は、医師との話し合いを通しながら原因を明らかにし、個人個人に最適な治療法を探していきます。
ストレスは、1人で我慢し抱え込むと、余計に悪化するスパイラルに陥ります。
1人で抱え込まずにまずは相談をして下さい。
ストレス要因を取り除く(環境調整)
適応障害は明確なストレス要因があることが特徴のひとつであり、それを取り除くもしくは軽くすることが治療の根幹になります。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 残業時間が多い → 担当業務の変更や仕事量の調整を会社と相談する
- 職場の雰囲気が合わない → 異動を相談する
- 人間関係に悩んでいる → 相手と少し距離を置いてみる
- 家事・子育てが負担 → 家族と役割の分担をする
- 身体が疲れすぎて朝起きれない → 休職をする
このようにまずは少しでもストレスが少なくなるように環境を調整する必要があります。
特にストレスの原因は職場にある場合が多く、一定期間休職をすることで、身体面のみならず精神面での回復も期待できます。
責任感が強く休職するのに抵抗感があり、頑張りすぎてしまう方も中にはいますが、それが続くとどこかで破綻してしまいうつ病などのより深刻な状態に至る可能性があります。
そうなる前に適切な環境調整を行うことが重要です。
薬物治療
また症状が深刻な場合は薬を用いる場合もあります。憂鬱でなにもやる気が起きない、ふとした時に涙が出てしまうなど抑うつ症状が強い場合は抗うつ薬を、不安や緊張が強い場合は抗不安薬を、不眠などの身体的な症状がある場合は睡眠薬などを、症状に合わせて用います。
ただし適応障害はストレス要因が取り除かれると症状は軽快することが多く、長期投与ではなく細やかな内服の調整が必要となります。
精神療法
ストレスを取り除くことだけでなく、ストレスにうまく対処していく術を身につけることは、再発を防ぐ意味でも大きな効果があります。
物事のとらえ方(認知)や行動のパターンを、順序立てて、段階的に分析し、より現在の状況に適した考え方や行動のパターンに変容させていく治療法として認知行動療法があり、臨床心理士(カウンセラー)と一緒に取り組んでいきます。
当院では経験豊富なカウンセラーが多数在籍しております。
認知行動療法の詳細はこちら